二月の茶花 - ヤマウグイスカグラ、加茂本阿弥椿

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高取耳付」花入にヤマウグイスカグラ加茂本阿弥椿を入れた例


加茂本阿弥椿」:別名「窓の月」。園芸品種のひとつで江戸古典種とか。関西で古くから茶花として愛好された品種とのこと。白一重・椀咲きの中~大輪の花で、雄しべは太い筒しべで、つぼみの時、オシベが外に突き出て見えている。
 
ヤマウグイスカグラ」:ウグイスカグラの一種で、ヤマウグイスカグラ、ミヤマウグイスカグラ等があるが、区別は「ウグイスカグラはふつう全体無毛で、ヤマウグイスカグラは枝、葉、花に毛があり、ミヤマウグイスカグラは腺毛がある」とうことで、虫眼鏡でもない特別が難しい。
  ということで、茶花に使った場合の説明では普通は単に「ウグイスカグラ」と言っていいのではないかと思う。

  ウグイスカグラは日本固有の植物だそうである。
  この木の花の咲く時季は主に春だが、暖冬の年などには12月から咲き出すこともある。
  ウグイスカグラで面白いのは徒長枝に襟巻き状の鍔が見られることである。
  これは托葉が枯れ残ったものらしいが、よく目立つので、冬の枯れ木状態でも同定が容易である。

  「ウグイスカグラ」の漢字表記は「鶯神楽」である。
  なぜ「鶯」であり「神楽」なのかについては「牧野新日本植物図鑑」にも「ウグイスカグラは恐らく鳥の鶯に関係あるだろうがはっきり分からない。」とあるように、はっきりしたことは分からないようだが、
  「鶯が繁みの陰で岩戸神楽を舞うと見立てた名前」という説が一番もっともらしい。

  初夏の頃、真っ赤な実が熟すが、昔、甘いものが手に入らなかった頃には、
  子どもたちにとっての格好のおやつになった。